早期発見の極意

病棟

出血しやすい新生血管

突然発症したように見える病気が、よくよく考えればあれが前兆だったと思い当たる例は少なくありません。初期状態では症状が表れにくいと言われる癌でも、何らかの形で前兆が見られるものです。何となく感じる違和感や、この頃疲れやすくなったというような主観的症状は見落としがちになります。体重減少のような数値で表れる異変も初期症状の1つです。癌が治る確率は、発見時にステージがどの程度進行しているかという点に大きく左右されます。早期発見の重要性は誰もが認識していながら、初期症状に気づくのは容易ではありません。そんな中で1つの重要なサインとなるのは、通常では見られないような出血です。癌は全般に成長が早く大量の酸素や栄養素を必要とします。そのため既存の血管では足りずに新生血管というものを勝手に作る性質があります。この新生血管は他の血管よりも脆く出血しやすいため、通常では見られないような出血が起きるのです。特に胃や大腸など消化器官にできた癌からの出血は便に混じるため、初期段階でも発見しやすくなります。胃の場合は便の色が黒いタール状で大腸の場合は赤黒いのが特徴ですから、そうした便が見られたら要注意です。

最も確実な早期発見方法

消化器系に属する臓器の中でも、胃や大腸と比べて肝臓や胆道・膵臓の癌は初期症状が表れにくいことで知られています。そのため発見がどうしても遅れがちになり、気がついたときにはステージが進行している例も少なくありません。そうした種類の癌でも病院で定期的に検査を受けていれば早期発見も十分に可能です。以前であれば発見できなかったようなごく初期段階の癌でも、現在の最新検査技術なら見つけられます。肝臓癌の例では超音波検査や造影剤を使ったCT・MRIの他、腫瘍マーカーや血液造影検査・針生検などが行われています。1つの検査だけでは見落とすような兆候でも、複数の検査を実施することで発見確率が高まるのです。PET検査は肝臓に限らず全身を対象として、小さな癌がないかどうかを調べられる画期的な検査技術です。胃や大腸など消化器系の癌では、腫瘍が粘膜にとどまっていれば手術や内視鏡治療による切除で完治が可能になりました。早く発見できればできるほど、その後の再発もなく健康に長生きできます。そうした早期発見技術は最新検査機器を装備した病院ほど優れているため、健康を強く意識するようになる中高年からの人気が高いのです。